「…大丈夫だって。それとも何? 隼人、舞香ちゃんが心配なんだ? 俺に取られちゃうかもとか思ってたりする?」
兄貴に言われた言葉を聞いて、俺はカッと熱くなった。

「違げーよ! なワケあるかっ! バカ兄貴っ」
もう夜中だって事も忘れて、大声で叫んでしまった。

「ん? どしたの? 今度は二人がケンカ?」
さっきの大声で、舞香が部屋のドアからひょっこり顔を出す。
やべ…聞こえたか?

「何もねーよ! ホラ、さっさと寝ろ! 寝ぼすけ」
俺はそう言いながら、兄貴の部屋のドアを無理矢理閉めようとする。
別に、お前の事なんかどーでもいいよ。
兄貴がどうだろうと…俺には関係ねぇ。

「もー何すんのよっ」
舞香は閉じかけたドアを開けようとしたけど、俺がまた無理矢理閉める。