【隼人SIDE】

舞香の奴…自覚してんのかよ…??
こんな軽い兄貴の部屋に何のためらいも無く素直に入って行きやがって…。

俺はあいつの後姿から目線を離し、部屋のすぐ手前で立ち止まっている兄貴を睨む。

「おい」
俺は小さな声で呼ぶ。

「ん?」
兄貴は笑顔でこっちに振り向いた。
ったく…いっつもヘラヘラしやがって…ムカつく。

「まさかとは思うけどな…舞香に何かっ…っ」
言い終わる前に兄貴に遮られた。
自分の口に人差し指を当てて「しーっ」とかほざいてやがる。