「…ただいまー…」
あたしはアイコ達とさんざんケーキをヤケ食いして、家に帰った。
「あーおかえりぃー」
リビングから海人くんの声が聞こえてくる。
陸人さんは…まだ帰ってないか。
この後に及んで、まだ陸人さんの帰りを待ってる自分が嫌になる。
「おっ舞香ちゃんおっかえりー♪ 陸人まだだから、先に晩御飯食べちゃおっか??」
「あ…はぁ~ぃ」
あたしは条件反射で返事をする。

「あいつ…」
隼人の呟くような声も耳に入らない。

はぁ~あ…。
あたし、馬鹿だ。
大馬鹿者だよ。
誰かいっそのこと、あたしを連れ去ってくれぇぇ~…。
どんな人でもいい…ことはないけど…。

「舞香ちゃん! そこ! 目!!」

優人さんの慌てた声で我にかえる。