「終わった────ッ!!」
教室に大きな声が響く。
その声の主は…あたし。
無事体育祭が終了した後のホームルーム前のこと。
パン食い競争もまぁまぁ普通に終わり、優勝はDチームだった。

「もう舞香…うるさいなぁ」
「運動オンチにしたら、体育祭の終了は至福の時なのよ。放っといてあげなさいアイコ」
「う、うん」
その奇声にも近い声に、アイコとレミは二人でひそひそ話している。
「な、二人とも何話してんの??」
あたしはその二人に気付いて、話に入る。
「何でもないわよ。ただ舞香が変な子だね、って話してただけ」
レミが凛とした声で言い放つ。
「ひ、ひどっ!」
「それより舞香、あんた…失恋なの?」
突然、思い出したようにレミがあたしに言う。
あたしの心は一瞬痛む。
「まっ…まぁね! ば、馬っ鹿だよねぇ~! 陸人さんに好きな人がいるなんて気付かないまま…しかも、陸人さんが好きだって気付かないまま…」
あたしはまた泣き出しそうになりながら言う。
「あっもう! 泣かないの!」
レミが慌ててあたしを慰める。