「ダサ専……」

「はい」

 このやり取りを聞いていた最上飲料の社員は絶叫した。今まで、自分達がバカにしていた御曹司は、超絶なイケメンで御曹司だったのだ。

 ただ常識のある者は、ここで今まで自分達が専務にしてきた行いを思い出し、一斉に顔を青くする。

 ただ、一部の厄介な人達の目はキラッと光る。御曹司で副社長でイケメンなんて言うことがない。

 ただ、一瞬でも疚しい気持ちを持った者も、次の言葉で撃沈する。

「もうひとつ発表したいことがあります」

 マスコミも、すでにあまりの衝撃に疲れ気味だ。

「私、最上聖七は、婚約いたしました」

「「「ぎゃ〜」」」

 女性客から悲鳴が上がった。それは、最上飲料の社内も一緒だろう。