聖七のマンションに住み始めたばかりの頃は、遠慮がちだった姉弟も、今では馴染んでいる。

 大河も加わり四人で夕食を共にし、姉弟だけではなく、会社では気を張っている聖七と大河の癒やしの時間にもなっているのだ。

 そして、聖七と夕の関係にも変化が出てきた。

 元々、専務としての聖七を尊敬していた夕だったが、秘書になり一緒に仕事をしてみると、とんでもない仕事量を熟していることを知ったのだ。

 間違いなく最上飲料のトップになる人物だ。聖七の元で働けることに感謝している。

 仕事とプライベートのオンオフがはっきりしていて、家に帰り世間で知られる聖の姿になると、夕への愛情を全面に出してくる。

 最初は、王子のようなキラキラした姿にも、甘々モードにも戸惑っていたが、いつからか夕の中でも尊敬の気持ちに恋愛感情が加わっている。