聖七に案内され、エレベーターの前まで来た。そこへ、大河も合流する。

「エレベーターは、ここにカードキーを翳すんだ」

「「スゴッ」」姉弟の声が揃う。

 エレベーターに乗り込み、中でもカードを翳す。今までオートロックはおろかエレベーターもないアパート住まいだった姉弟には未知の世界だ。

 エレベーターは、五階に到着した。降りるとふかふかのカーペットが敷かれ、ホテルの廊下のようだ。

 玄関だと思われる扉が左右に二つあるだけだ。

「右の扉が俺の部屋だから」

「「は、はい」」姉弟揃って緊張した面持ちで返事をする。

「ちにみに、ここが最上階で俺は二階に住んでるから困ったことがあったら電話してもらえたらいいから」聖七だけじゃなく、大河も近くにいて心強い。