人を見た目で判断するな〜ダサダサ御曹司の真の顔〜

 まだまだ話し足りないが、処置室の扉が開き家族が呼ばれた。

「ここで待ってる」

 待たせるのも申し訳ないので、先に帰ってもらおうと思ったが、先に待ってると言われてしまった。

「すみません」

 一言謝罪を残し、姉弟は母のいる処置室に向かっていった。

 医者の話では、落ち着いていた病状が少し悪化していて、しばらくの入院を勧められた。

「姉ちゃん……」

 凪が心配しているのは、母の病状と医療費だ。

「何とかするわ……。先生、母をよろしくお願いします」

 母が入院することになり、今度こそ専務には帰ってもらおうと廊下に出た。