人を見た目で判断するな〜ダサダサ御曹司の真の顔〜

「母は?」

「まだ処置中だよ。夕ちゃんも来たし、会社の人?もいるようだし、私は帰らせてもらうよ」

 大家さんは、チラッと夕の横にいる聖七に視線を向けて会釈し、帰っていった。

 シンと静まり返る病院の廊下に座る三人。時折やって来る救急車の音が響く。

 そこへ。

「姉ちゃん」夕より体はかなり大きいが、よく似た弟がやって来た。

「凪……。仕事大丈夫だった?」

「ああ。早退させてもらった。母さんは?」

「まだ」

「そっか。で、こちらは?」

「凪くんと言うのか。初めまして、夕さんの上司の最上聖七と申します」

「上司!?」「も、最上!?まさか」

 姉弟の声が響く。

「何を驚いてる?もうすぐ直属の上司になるだろう」