話をしている間に、車は病院に到着した。

 大河が受付で場所を聞き、救急に駆けつけた。廊下には、アパートの大家さんが駆けつけてくれていた。

「夕ちゃん」

「おばちゃん。ありがとう」

「何言ってるの。長年の付き合いなんだし、水くさい」

「おばちゃんが救急車を?」

「ああ。夕ちゃんの隣の部屋の大学生が、夕ちゃんの部屋から人が倒れたような大きい音がしたって、うちに言いに来てくれたんだよ。何かあった時のために預かっていた鍵で入らせてもらったら、八重さんが倒れてたんだよ」

 夕と凪が働いている間に、何かあっては困ると大家さんに鍵を預けていたのが幸いしたようだ。