「そこ?夕ちゃんは、専務と噂になって嫌じゃないの?」

「嫌?何で?」

「えっ!?ダサ専って言われてるんだよ?」

 この時、大河が広報部に様子を伺いに行くところで、給湯室の前を通った。

 中の会話から、聖七の想い人と同僚と思われる女性の会話が聞こえ、思わず盗み聞きしてしまう。

「ダサ専……。前も誰かが言っているのを聞いたけど、ダサイかなぁ〜それよりも、仕事のできる専務だと思うよ?」

「え゛……。夕ちゃん専務と関わりあった?」

「直接は、会議とかで一緒になったくらいだけど説明はわかりやすいし、社内では細かく色んな所を気にかけてチェックしている姿を見るよ。専務だからって、椅子にふんぞり返ってるわけじゃなく、自ら動いてるのは尊敬する」