翌日、夕が出勤すると至る所から視線を感じた。心当たりが全くない。何かしただろうか?

 訳が分からないまま、広報部に向かった。広報部に入った途端、ここでも一気に視線が夕に向けられた。

「おはようございます」

 夕の挨拶に、みんな我に返り挨拶を返してくれる。

「夕ちゃんおはよう」

「友ちゃん、何かあったの?」

「何かって……。何かあったのは夕ちゃんでしょう?」

「えっ?」

「えっ?」顔を見合わせお互いに疑問顔だ。

 夕の同期の友美は、朝から噂の的になっている夕のこの反応に、疑問しかない。

「ちょっとこっち」

 始業時間までにはまだ少しあるので、夕を給湯室に引っ張っていく。