俺の御曹司という立場と見た目を天秤に掛けて、接する態度を悩んでいる女性は見てすぐにわかる。

 やはり、見た目で判断する女性が、多いのが現実だ。

 給湯室に集まっては、悪口や噂話に花を咲かせている。

 俺の悪口も何度聞いたことか……。

 彼女達は、まさか人に聞かれているとは思っていないだろうが、声が大きく聞くつもりがなくても聞こえてくる。

 ただ香月さんだけは、そういった女性達の輪に入らない。

 先輩達に、話を振られても上手く交わしている。とにかく好感がもてるのだ。

 香月さんが、入社して半年経つ頃には、俺は一生懸命な彼女が気になってしょうがない。気がつけば彼女の姿を追っている。

 大河に気づかれ爆笑される程、見ていたらしい……。