飛行機。

 果歩が連想することなんて決まっていた。

 今、飛行機、と繰り返してはしゃいでいる航にとても近い存在のひと。

 今はもう会えないけれど、航を授けてくれたひと。

 そしてそのひとと過ごした、素敵な時間……。

 ああ、今、あの飛行機を操縦していたりして……なんてね。

 そんな偶然はないよね。

 自分の想像に苦笑して、果歩は航の肩を抱いて、飛び去っていく飛行機を見送った。

 そんな展望台でのひととき。

 飛行機を見られた記念、ではないが、ちょうど売店にぬいぐるみの飛行機があったので、それをお土産に買ってあげた。

 航が大喜びで抱きしめたのは、言うまでもない。

 それで現在、夕方になりかけの頃。

 街中が混まないうちに帰ろうと、施設の出口に向かっている。