「コーヒーで良かったかな?」
翔がトレイに乗せて持ってきてくれたのは、カップに入った二杯のコーヒーだった。
芳しい香りと、ほかほか湯気を立てるそれが果歩の前に、ことりと置かれた。
「うん。ありがとう」
果歩は笑みを浮かべてお礼を言う。
次に翔がトレイから取り上げたのは、プラスチックのカップ。
飛行機の絵がついたそれの中には、薄茶の飲み物が入っている。
「さ、航はお茶だぞ。はしゃいで喉が渇いただろ?」
航の飲み物は麦茶だった。
実家にいた頃からよく飲んでいた、希釈タイプですぐに作れるお茶である。
今はホットで作ったものを、冷まして持ってきてくれたようだ。
「うーん! おちゃーちゃ!」
翔が言ったことに、航はすぐ手を伸ばした。
果歩はその航を抱き上げ、ローテーブルの前に下ろし、座らせた。
「気を付けてね」と果歩が取り上げ、持たせたカップから、こくこくと飲んでいく。
翔のほうは、スムーズに飲んでくれたことに、ほっとしたようだった。
「ありがとう。わざわざごめんね」
航を見守りながら、果歩も自分のコーヒーカップを持ち上げた。
火傷をしないように、そっと飲む。
香りの通り、濃いのにすっきりとした苦味で、とても美味しかった。
「いいや、むしろ幸せだよ。こうして三人でお茶を飲めるなんて」
航を挟んだ逆隣に座った翔は、愛おしそうな眼差しでお茶を飲む航を見つめていた。
翔がトレイに乗せて持ってきてくれたのは、カップに入った二杯のコーヒーだった。
芳しい香りと、ほかほか湯気を立てるそれが果歩の前に、ことりと置かれた。
「うん。ありがとう」
果歩は笑みを浮かべてお礼を言う。
次に翔がトレイから取り上げたのは、プラスチックのカップ。
飛行機の絵がついたそれの中には、薄茶の飲み物が入っている。
「さ、航はお茶だぞ。はしゃいで喉が渇いただろ?」
航の飲み物は麦茶だった。
実家にいた頃からよく飲んでいた、希釈タイプですぐに作れるお茶である。
今はホットで作ったものを、冷まして持ってきてくれたようだ。
「うーん! おちゃーちゃ!」
翔が言ったことに、航はすぐ手を伸ばした。
果歩はその航を抱き上げ、ローテーブルの前に下ろし、座らせた。
「気を付けてね」と果歩が取り上げ、持たせたカップから、こくこくと飲んでいく。
翔のほうは、スムーズに飲んでくれたことに、ほっとしたようだった。
「ありがとう。わざわざごめんね」
航を見守りながら、果歩も自分のコーヒーカップを持ち上げた。
火傷をしないように、そっと飲む。
香りの通り、濃いのにすっきりとした苦味で、とても美味しかった。
「いいや、むしろ幸せだよ。こうして三人でお茶を飲めるなんて」
航を挟んだ逆隣に座った翔は、愛おしそうな眼差しでお茶を飲む航を見つめていた。