しかし男の目的は女性をほめることではなく、指輪の確認だった。

よし、指輪をしていない。結婚している確率は低いはずだ。

男は女性を上から下になめるようにみる。

どうやら女性は緊張しているようだった。

「こういったお店にきたのは初めてですか?」

「はい。そうなんです。わかりますか?やっぱり場違いですかね」

女性が自分を卑下するようにこたえる。

どうやら自分に自信がないタイプのようだ。

「そんなことないですよ。誰だって初めてはありますし、お客様、綺麗で清潔感ありますから俺は好きです」

好きと言う言葉に顔を紅潮する女性。
おべっかだとわかっていても照れくささを感じる。

「それでお飲み物のほうはどうされますか?」

「えっと、こういう場合はどうすればいいですかね。メニュー表のような物はありますか?」