婚約者を奪われ追放された魔女は皇帝の溺愛演技に翻弄されてます!


 ボロボロと涙を流し、膝をつくミリアムは激しく取り乱している。そしてミリアムの娘フィオナの姿が見えない。

「まさか……」

 魔女は誰の言いなりにもならない。

 もし、その魔女を自分のいいように使うなら、弱みを握るしか方法はない。魔女本人に敵わなくても魔女の産んだ子供なら、ただの人間なのだからどうとでもできる。

「フィオナがっ……人質に取られて、帰ってこないの!」



 泣き叫ぶミリアムを落ち着かせ、なんとか話を聞き出した。

「それでは、やっぱり脅迫されてやったのね」
「ええ……どうしてもフィオナの居場所がわからなくて、アイツらの指示に従うしかなかったの……誰かに話したらフィオナの命はないと言われていて、相談もできなくて……」

 罪を犯した魔女は、その力を封印されただの人間になる。その際に代償として老婆のような姿になり残りの人生を送るのだ。

 そうなるとわかっていても、娘のためにミリアムは呪いの制服を作成した。