婚約者を奪われ追放された魔女は皇帝の溺愛演技に翻弄されてます!


「なぜこのようなことが起こったのか、それも調査が済んでいる。ジョルジュ、続けろ」
「さらなる調査の結果、神官に賄賂を渡し虚偽の申告をさせていたことがわかりました」

 令嬢たちの父親は、今の言葉で青を通り越して白い顔色になっていた。ここでシャロンもやっと父を振り返る。

「聖女の判定結果を操るなどあってはならないことだ。家督を譲った後は投獄し、のちに流刑地へ送る。連れていけ」

 公開処分したのには訳がある。該当の貴族がすべて旧派で、伯爵家以上の当主たちだったからだ。横のつながりの強い旧派は、エルベルト公爵家が後ろ盾となってすぐに持ち直してしまう。だから言い逃れできない状況で追い込む必要があった。

「特別会議は以上だ。迎えの馬車を手配してある。会議は終わったゆえ、即刻この場から立ち去れ」

 こうして、今回の騒動は一件落着となった。