婚約者を奪われ追放された魔女は皇帝の溺愛演技に翻弄されてます!


「それについては私が答えます。私は皇后様が罰を与えるのを、目の前で確認しました。罪を犯した魔女は魔女が裁く。それが掟で、罰とは魔女の力を封じられて、人間に戻ることでした。その際に見た目も大きく変わり、今までと同様に生きていくことは難しいでしょう。必要なら映像水晶も提出できます」
「イリアスが証人だ。まだ不服があるか?」
「いえ……結構です」

 この国の宰相が証人で物理的な証拠もあるのだ、これ以上の反論はできないだろう。

「では次だ。ジョルジュ」
「はい、私からは教会の不正についてご報告があります」

 パラパラと書類をめくる音があちこちから聞こえる。

「お手元にある資料の通り、教会運営本部において聖女様の力を虚偽報告していたと判明しました。不正をしていた神官は記載されている六名で、すでに投獄されています。そして私が直々に再調査したところ、次のような結果になりました」

 新たに資料が配られていく。このタイミングでないと暴動が起きかねないので、別紙で用意したのだ。そこには数名の聖女の名前が記されていた。