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「それでは特別会議を始める」
皇城の一番大きな会議室に、旧派も含めた貴族たちが集結していた。それから高位貴族の令嬢たちも数人呼び出して参加させている。
今回の議題は教会の不正に関する調査と先日の呪いの制服の件についての報告もあり、重大な発表もあると伝えていたので全員が参加していた。配られた資料の説明が終わり、いよいよ本題に入る。
「まずは先日の皇城で起きた呪いの制服の件からだ。イリアス」
「私から詳細をお話しします。あれは文官の制服に呪いがかけられていたものでした。呪いをかけた魔女は特定済みで、皇后様が魔女の掟に従い罰を与えております。それを依頼したゼイル伯爵の次男コイルはすでに廃嫡の上、収監しています」
ここで会議室がどよめいた。
「静まれ。なにか意見があるのなら、この場で言え」
「では発言いたします。陛下、魔女の掟というのは初めて聞いたのですが、どのようなものなのですか? 皇后様が自ら罰を与えたというのは信じ難いですな」
口を開いたのはエルベルト公爵だ。旧派の代表ともいえる人物でいまだに影響力が強い。



