「っ! ママ! あ……」
フィオナの視線がミリアムを捕らえる。すっかり老婆の姿になってしまった母親の姿をジッと見つめていた。
そして次の瞬間。一気に駆け出して、ミリアムに抱きついた。
「ママッ! 会いたかった、ママー!!」
「フィオナ……! こんな姿なのに、ママだと言ってくれるの?」
ミリアムの震える手が、そっとフィオナの頬に触れる。
「うん、だってママの声だし、ママの匂いだもん。でもお顔も手も前とちがうけど大丈夫? どこか痛くない?」
「うん、うん……大丈夫だよ。フィオナが帰ってきてくれたから、もう大丈夫!」
そうしてふたりは強く抱き合った。今まで離れていた分を埋めるように、涙に濡れた笑顔を浮かべていつまでも抱き合っていた。



