フィオナをこんな檻に閉じ込めて、ろくに世話もせずに放置していた。それだけでもコイツらを吊し上げてやりたかった。
「そんなの答えるわけねええだろ!」
そう言って、腰に刺していた長剣を抜いて私に切りかかってきた。
「そのガキも一緒に片付けてやる!」
そのひと言に私はスーッと頭が冷えていく。人間は怒りすぎると感情が冷えるのだと初めて知った。
「質問に答えなさい。黒幕は誰なの?」
私の気配の変化に気付いたのか、一瞬だけ男たちは躊躇した。それでもすぐに気を取り直して剣を振りかざす。
私に振り下ろされた切っ先に向かって、闇魔法を放った。先ほどの鉄格子と同じように切り刻まれた長剣がバラバラと床に落ちる。カンッと音を立てた切っ先はもう鉄屑だ。
「ひっ!!」
剣を切り刻まれた男たちは青ざめている。雪の結晶の闇魔法は、ひとつひとつが鋭利な刃物となって、男たちの薄皮を切り刻む。



