藤堂くんのこと信じていたのに。私を守ってくれるって言っていたのに。
裏切られた気持ちでいっぱいになる。
悲しさから涙が湧き上がってくる。目に涙を溜めていると沢辺さんは「聞いてくれるなよ」と言わんばかりに苦い顔をした。
「東良さんは自分の病気を隠してたつもりだろうけど、私には分かったよ。私の妹も自律神経失調症だから似たような病気なのは見てて分かった。だからあの時本当に心配で声かけたの。誤解させるような言い方をしたかもしれないけど、正直頼ってほしかった」
沢辺さんは私を標的にしたいわけでも、言い負かしたいわけでもなかった。
勝手に沢辺さんの性格を決め付けて、本当に最低だ。
自分の思い込みだけで沢辺さんを悪者にしていたことをすごく後悔した。
「直哉と上手くいってて症状が緩和してるなら、付き合ってくれてよかったなって思っただけだから」
――ごめんなさい、藤堂くん、沢辺さん。
藤堂くんの顔も沢辺さんの顔も見ることができずに俯いていると、うまく息ができない状態になってきた。
――発作だ。なんで、このタイミングで……
私、まだ沢辺さんに「心配してくれてありがとう」って、「藤堂くんと付き合ってる」って言えていない。



