藤堂くん、もっとぎゅっと抱きしめて



私の勘は当たってしまった。


沢辺さんはここ最近の私と藤堂くんの雰囲気を感じ取って嫌気がさし、私と話し合いをしたいんだと思った。


私も藤堂くんも、すぐに返事ができなくて3人しかいない教室がシーンと静まり返った。


沢辺さんは「やっぱり」と言いたそうな顔で頷いた。


「ここ最近、東良さん保健室に行く回数減ったし、直哉も前より気にかけてるし、二人の雰囲気が前と違う感じがしたんだよね。ちょうど私が東良さんを面倒見るって言って、直哉から拒否られたときからだけど」

「…………あ」


――否定できない。沢辺さんには全てを見透かされている。


藤堂くんは否定も肯定もしていない。ただ、私に意見を任せている。そんな気がした。


付き合ってるって言ったら沢辺さんは私を無視するだろうか。そう考えると怖くて、沢辺さんから机の上へと視線を反らした。


私に意見を任せていた藤堂くんが「あのさ」と口を開いた。


「東良はさ、中学のとき、クラスの女子に理由が分からないままずっと無視されてたんだよ。そのストレスが爆発して精神的不安定になってしまったんだけど……沢辺はどう思う?」


――藤堂くんは沢辺さんに私の病気のことを話してしまった。


他の人には知られたくなかったのに、何故沢辺さんに質問を投げたのだろう。