藤堂くん、もっとぎゅっと抱きしめて



「…………です」


このまま話をしていたらきっと、藤堂くんにもっと恥ずかしいことを言ってしまうと、咄嗟に口を閉じた。


自分から言い出したことが急に恥ずかしくなり、顔の火照りが尋常じゃない。手が熱い。顔も熱い、脈も早くなっている。でも、これは発作なんかじゃない。


「オレが何で保健委員になったか知ってる?」


藤堂くんは動じる様子もなく、私に尋ねてきた。


「……わ、分からない。あまってたから?」

「オレが先に立候補しましたー! むしろ保健委員は早々決まっちゃいました! ざんねーん、あまってませーん」


楽しそうにあっかんべーをする藤堂くん。案外、子供っぽいらしい。


そんな半年前のことなんて分かるわけない。


「オレが何で保健委員になったか教えてあげる。東良、入学当初から具合悪くしてたろ。それで、保健委員になったら力になれるかなって思ってさ」

「……私のため?」

「うん。まあ、東良からしたらいい迷惑かもしれないけど、完全に東良目当て」


――私目当て……


あまりにも堂々と言い張る言葉に、今度こそ意味を履き違えてしまいそうになる。


こんなにハッキリと言われたら何も言えない。


「……あ、ありがとう」