シュリ王子は連れ帰りたい



心の中で、強く願ったその時


「理亜~ 助けに来たよ」


建物の影から、ヒョイっ!

なんとシュリ君が現れた。



「ひゃっ。 シュリ君?
 なんで、こんなところに?」



「俺の可愛い理亜が
 元カレのアパートに
 荷物取りに行くって言うんだもん。

 心配で、つけてきちゃった」



テヘっと舌を出したシュリ君。


かけていたサングラスを爽快に外し

私に甘いウインクを投げかけた。



「今日は撮影があるって、言ってたよね?」



選挙ポスターのモデル。



国のお偉いさんたちから

『シュリ君以上に顔が良い人は
 地球上にいないから
 どうしてもモデルになって欲しい』

そう、お願いされて



ムリムリって断った

シュリ君だったけど


最終的には折れたんだよね。

やりますって。


シュリ君って、優しいから。