シュリ王子は連れ帰りたい



彼氏の浮気現場。


そんなものを自分の瞳に映しちゃったら

多分、私は……


『家賃も光熱費も食費も
 全部全部払ってるのは、私だよ!』


ラブラブ写真入りの

木製フレームを手に取り


『柊真君、今すぐ出ていって!』


彼に向って、投げつけちゃいそう。




「柊真、大好き~」


ドアの向こうから聞こえる、猫なで声。



「俺も大好きだよ~」と答える

柊真君の声は

私の耳元でささやく声より、かなりの極甘。



悔しさを噛みしめながら

私はただただ、耳を済ませる。