シュリ王子は連れ帰りたい



「それからの俺は、もうダメだね。

 地球をどうやって滅ぼそうかばかり
 考えてた。

 大好きだったドロ痛のマンガもDVDも
 この宇宙船の押入れの奥に突っ込んで。

 地球人全員を憎もうと、必死だった。

 でもさ

 いくら押し入れに追いやっても
 俺の頭の中のレイジは
 いなくなってくれなくて。

 『オマエはいつ、大好きな女と
  出会うつもりなんだよ!

  雪よりもイイ女みつけて
  俺に自慢してみろよ』って
 
 俺の脳内で挑発までしてきてさ」



「……」



「俺は、20年間生きてきて
 人を好きになったことが一度もなくて。

 でもレイジみたいに
 いつか誰かを溺愛してみたい。

 その想いは、どうしても消せなかったんだ。

 大好きな子が現れますようにっていう
 お守り代わりだったから

 どうしても
 捨てられなかったんだろうな。

 ドロ痛のマンガとDVDは」



「……シュリ君」