シュリ王子は連れ帰りたい




決意を胸に、私は廊下を進む。


チラっと開いているドアから、部屋の中を確認。



リビングにはいないか。

柊真君は、寝室にいるのかも。



私が会社から帰ってくると

ヘッドフォンを耳に当て

音楽を聴きながら熟睡していることが

結構あるしね。




廊下の突き当りにある寝室。


その部屋に向かって足を進めていると


『キャハハハハハ~』


ハイテンションな笑い声が、聞こえてきた。



今の笑い声って、女性だったよね?



そっか、そっか。

柊真君のお姉さんが来てるのか。



お姉さんは実家暮らし。


弟の誕生日を祝いに

新幹線に乗って

会いに来たんだろうなぁ。


あのハイヒールも

お姉さんの物なら納得、納得。



でも……