シュリ王子は連れ帰りたい




不快な顔で

耳の穴に指を突っ込むシュリ君。



状況がつかめない私は

慌てて後ろを振り返る。



確かに。


50メートル以上後ろに

ゾンビが一体倒れている。



なぜ、ゾンビから私を助けてくれたの?



銃を奪った私のことを


シュリ君の星に危害を加えようとしている

地球人のことを


殺したいほど、憎んでいるんじゃないの?




シュリ君はポケットから

青いスカーフを取り出すと


「これ大事な推しのスカーフ。
 ホントは
 血まみれにしたくないんだからね」


ぶつぶつ言いながら

私の太ももに巻き始めた。




これってもしかして……

けがの手当てをしてくれてる?



大事な推しのグッズが

私の血で汚れちゃうのに?