シュリ王子は連れ帰りたい


立ち上がった私。

一歩も動けなくて、アタフタしてしまう。


このままゾンビが動き出しちゃったら

間違いなく私は食べられちゃうし……


逃げるなら、今しかない!



ゾンビを踏みつける覚悟を決め

大きく一歩を踏み出したのに



「あのさ
 俺に『ありがとう』とか、ないわけ?」



どこからか聞こえた、ぶっきらぼうな声に

せっかく踏み出した足を、戻しちゃった。



「人間を滅殺しに来たのに
 つい人間を助けちゃったじゃん。

 マジで
 意味わかんないことしちゃったし」



「あ~あ。自分の行動、意味不明~~」と

重いため息まで聞こえてきたけれど

どこから声がするの?



周りをキョロキョロしてみたけれど

誰もいないし。



「どこ見てるの? 上だよ、上」


上って……



ひゃぁぁぁぁ!


私がへばりついている

高さ5メートルほどの塀の上。



私と同い年くらい。


美目麗しい男の子が

座っていらっしゃるんですけど!!