走る。

全力疾走で。


ひっきりなしに流れてくる涙を

ふき飛ばしながら。




人間は数年前から、ゾンビと共存をしてきた。


太陽が出ている間、ゾンビは外に出てこない。


夕日が沈んだ後、街中にゾンビが溢れ出す。



ゾンビが徘徊する目的は、食事。

つまり、人間の肉にありつくこと。



だから人間は

夕方になると家にこもり

一切、外には出てこない。



ゾンビは腐った死体で、非力。


だから、玄関の鍵を閉め

窓のシャッターを下ろしておけば

ゾンビは家の中までは

入ってこられないんだ。



ただ……


ゾンビの恐ろしさは、まさにこれ。

大人数で襲い掛かってくること。



ゾンビの前で転んだら

最後だと思った方がいいらしい。



たくさんのゾンビに手足を掴まれ

体の肉が食いちぎられてしまう。



ひゃぁぁ、恐ろしすぎ!

想像したくもないよ!