シュリ王子は連れ帰りたい


悲しみが、私の許容量をゆうに超える。

もう立っていられない。


柊真君なんて、大嫌い!!


私はしゃがみこみ、激しい嗚咽をこぼす。



「えっ? 
 何の声? お化け?」


「まっ…まさか……」



女性の驚き声に続いたのは

柊真君の焦り声。



ドアに駆け寄る足音が

聞こえなくなったと同時

寝室のドアがゆっくりと開いた。




涙目をこすりながら

見上げる私の瞳には


青ざめた顔でオロオロしている

柊真君が映っている。