シュリ王子は連れ帰りたい




大好きの感情は

たった1回の裏切りで

大嫌いへと裏返るらしい。



完全に冷めきった、彼への恋心。


どんな別れの言葉をぶつけようか

考えていたのに……




「はぁぁぁ~

 俺の彼女
 ゾンビに食われればいいのになぁ……」




ドアの前で涙をこぼす私の耳に


柊真君の重いため息が

聞こえてきたから



えっ……?


ゾンビに食われればいい?

私が?



私はもう、絶望感を

抱えきれなくなってしまった。



ヒックヒック、涙に混じる嗚咽。


柊真君に気づかれたくなくて

口元を手で押さえる。