シュリ王子は連れ帰りたい



私の彼氏の、挑発的なラブコール。


チュッチュ。


熱いリップ音が、廊下まで響いている。


どれだけ濃厚なキスを、交わしてるんだか。



くぅぅぅぅぅ……悔しいよぉ!



申し遅れました。



怒り、悲しみ、絶望。


いろんな感情が抑えきれず

涙が止められない私の名前は


中谷(なかたに) 理亜(りあ)

20歳です。





今日は彼の誕生日。



仕事のあと

サプライズでこの家に帰ってきて


『あれ、理亜? なんでいるの?』

と、首をかしげる柊真君に


『柊真君と一緒にいたいから
 出張から帰ってきちゃった』

って、抱き着いて


『可愛いことするよなぁ。
 理亜、大好きだ~』


柊真君が私を

お姫様抱っこで、ベッドまで運んでくれる。


そんな甘いシチュを期待していたのに……


浮気現場、遭遇って……

不幸すぎだよ、私は。