シュリ王子は連れ帰りたい




終始、勝ち誇った笑顔のシュリ君。



胸ぐらをつかむ柊真君の手を

自分のシャツから引き離すと


財布の中からカードを取りだし

柊真君の目の前に突き付けた。



このキラキラした

ゴールドのカードって……



「俺と理亜だけが使える
 全世界の最高級コテージの
 利用カード。

 俺たちね
 全世界のお偉いさんたち公認で
 付き合ってるの。

 日替わりでいろんな国に行って
 最高級のおもてなしを
 受けてるんだよ。

 まぁ、俺たちが甘い夜を過ごす
 最高級ベッドは
 この星以外にもあるけどね」



「何言ってんの? こいつ」



柊真君は、シュリ君の話を

全く信じていない。


まぁ、気持ちはわかるけど。



UFOのアヤセに乗り込めば

世界中をひとっ飛び。


そんなオカルトチックな話

信じてくれる地球人は

ほぼいないと思うし。