シュリ王子は連れ帰りたい



「俺の可愛い理亜って
 どういうことだよ?」


まだ私の腕を離さない柊真君が

シュリ君に吠えている。



「言葉の通りだよ。

 理亜の可愛い声も、瞳も、体も
 全て俺だけのものだからね」



シュリ君は、余裕たっぷりでニコッ。



血の気が多い柊真君が

黙っているはずもなく


私の腕を勢いよく離したと思ったら


今度はシュリ君の胸ぐらに

掴みかかってしまった。




ちょっと、喧嘩はやめて。


人通りがほぼない細道はいえ

誰かが通ったら

警察に通報されちゃうから。