「いいとこみっけ〜って……」 急いで隠れようと思った時には、もう時すでに遅し。 廿楽くんに膝枕をしているところを、バッチリ目撃されてしまった。 「あ、あのっ…えっと…」 なんとか言い訳を考えようと頭を動かしても、この気温のせいで上手く働かない。 相手の男子生徒も黙ったまま。 私は気まずすぎて顔すら上げられない。 数秒間沈黙が続いたけど、それは男子生徒の残念そうな声によって破られた。 「……なーんだ、廿楽くんじゃん。今日はさすがにいないと思って来たのに」