でも、今は誰であろうと関係ない。 どうにかして廿楽くんにどいてもらわないと…! 「廿楽くん廿楽くん、人が来たからもう行こうよ。ね?」 こそこそっと廿楽くんの耳の近くでそう言うけど、どうしてか不満そうな顔をされた。 「別にいいじゃん。なんで僕らがどく必要があるわけ?」 「なんでって……」 廿楽くんの相変わらずのマイペースさに呆れていると、足音がこちらに近づいてきた。 「お、こっち日陰あるじゃん」 まずい、このままじゃ……