余計疲れてしまった。



いくら廿楽くんのお願いと言えど、こんなところで寝られたら熱中症になりかねない。



「ねぇ廿楽くん、やっぱり帰ろ───」



───ガチャッ



説得して帰らせようとしたとき、普段滅多に開かない屋上の扉が開く音がした。



「うわっ、暑っつ…!もう夏だな…」



声から男子生徒だとわかったけど、聞いたことのない声だから知人ではないはず…。



そもそも私に仲のいい男士は存在しないため、この状況を見られたら気まずいことこの上ないのである。