立ち上がろうとした私を呼び止めた廿楽くんは、その場で私をぎゅっと抱きしめた。 「っ…!?廿楽く……」 「頑張れ、心優」 頭をぽんぽんと撫でながら言われて、もう練習どころじゃなくなってしまう。 み、みんな見てるのに…っ! 「〜〜っ!!」 腕を離されてもなかなか動けなくて、へにゃりと座り込んでしまった。 「ほら、早くしないと怒られちゃうよ?」 「お、怒られたら廿楽くんのせいだからねっ…!」 意地悪く笑う廿楽くんにそう言って、みんなが集合しているコートへと向かった。