屋上で廿樂くんと、ヒミツのこと。


んえ?ってなに…!?



つい自分で自分にツッコミを入れてしまうほど、言っている意味が分からない。



私のおかげ…??



「廿楽くんが朝から教室に来て、午後まで授業をしっかり受けて放課後に帰る…。普通の人なら当たり前のことでも、彼にとってはすごいことなんだと思う」



明楽先輩が珍しく真面目に語るから、どうも不思議に感じる。



「な…なんか、意味深ですね…」



「はは、謎が多い男だからねー廿楽くんは」



と思ったら、軽く笑い飛ばす明楽先輩。



謎が多いと言うけれど、先輩が言えたことじゃないような…。



この間の遊園地でのことを思い返すとまた頭の中がこんがらがりそうだったから、一旦やめておくことにした。



「…知りたい?廿楽くんのこと」



私に確認するように聞いてくる明楽先輩の目は、やっぱり真剣そのもので。



「えっ……と、」



なんだか怖気付いてしまうのは、本当に聞いていいのかわからなくなっているからだ。