屋上で廿樂くんと、ヒミツのこと。


私が何を悩んでいるのかなんて、言わなくても全部わかっちゃうんじゃないかな。



明楽先輩の勘があまりにも鋭くて、ついそんなことを思ってしまう。




「…廿楽くん、中学校の頃からこうなんですか?」



相談しても良さそうな雰囲気になってきたから、なんとなく聞いてみることにした。



「んー…まぁ、そうだね。特に変わんないかな」



明楽先輩が懐かしそうに目を細める。



「でもここ最近はちゃんと来てたでしょ?」



「そう…ですね。授業も受けてました」



廿楽くんが「授業ちゃんと受ける」って言い出した時にはびっくりしたなぁ。



あのサボり魔で居眠り王子と言われていた廿楽くんの言葉だとは思えない。



…居眠りっていうか、熟睡だったけど。



「それ、心優ちゃんのおかげなんだよ?」



「んえ?」



明楽先輩に訳の分からないことを言われて、つい変な声が出てしまった。