最後の頼みの綱である若菜に聞こうと思って隣を見たら、忽然と姿を消していた。
な、なんでいないの…!?
ちょうどその時、手に持っていたスマホが震えたから画面を見ると。
『もう始まるから先行ってるよ?怒られても知らないからねー』
「わ、若菜の裏切り者…!!」
相手は言わずもがな若菜だった。
───キーンコーンカーンコーン
そして、そこに畳み掛けるように集会を始める知らせのチャイムが鳴り響き愕然とする。
……もう、手遅れみたい。
「じゃ、早速行きますか。何かあっても俺がフォローしてあげるから、安心してよ」
ウインクをした明楽先輩の顔は、後ろめたさなんてものをまるで感じていない。
私、悪い子になっちゃう…?
明楽先輩に手を引かれながら、ひしひしと感じる罪悪感に耐えることしか出来なかった。



