そこには、暑さにも負けない爽やかな笑みを浮かべた明楽先輩が私に向かって手を振っていた。
「え、明楽先輩…?」
なんで明楽先輩がここに…??
もうほとんどの人たちが体育館に行っているはず。
それでも明楽先輩は気にする様子もなく、こちらに向かってきていた。
若菜も驚いていて、一言も声を発さない。
「明楽先輩、集会行かなくていいんですか?」
だから私が変わりにそう聞くと、迷いもなく頷いた。
「あんなの行くだけ無駄じゃない?この暑い中校長の話聞いてたら、それこそ倒れるって」
ご、ごもっともで…。
私もできることならサボりたいけど…やっぱり怖いからやめよう。
「…えっと、それじゃあ私たちは行きますね。いい夏休みを…」
このまま明楽先輩といたら感化されてしまいそうだったから、ペコッとお辞儀をして言って立ち去ろうとした。



