なんだかんだ言って、数年間続いている先輩後輩の関係はいまだにあるんだろう。
こういう2人を見ていると、普段の言い合いが嘘みたい。
少し気分が晴れやかになってきて、だんだんと調子が戻ってきた気がする。
廿楽くんも青白かった顔が良くなってきた。
「…じゃあ、そろそろ他のに乗ってみる?今度は心優ちゃんが好きなのにしよ?」
明楽先輩の言葉に、私はキラリと目を輝かせた。
ふっふっふ〜私、さっきいいこと思いついちゃったんだよね…。
「明楽先輩、廿楽くん…お願いがあります」
「お、なになに?」
「心優のお願いならなんでも聞いてあげる」
私の言葉に頷いてくれた2人を確認してから、ある物に指を指した。
「2人でメリーゴーランド乗ってください!!」
「「メリーゴーランド……?」」
2人の声が初めて揃った瞬間だと思う。
怪訝そうに私が指さした方向を見てから、顔を引きつらせた。



