廿楽くんが心優ちゃんをおぶって保健室を出ていったあと、近くにあったソファに座り込んだ。



「はぁー…」



昨日から何度目かのため息を吐いて俯く。



目の前のベッドには、さっきまでいた心優ちゃんの面影があるような気がして何となく見れない。



廿楽くんを見たときの心優ちゃん、嬉しそうだったなぁ……なんて。



そんなこと思ったって仕方ないけどさ。



「…こういうとこなんだろうな」



ひとりでに漏れた独り言。



誰に言うわけでもなく、ただ自然とこぼれた。



あまりにも自分が自己中心的な奴か、ここ数日間で思い知らされた気がする。



それも全部、ひとりの女の子のことだけを考えていたら気がつけたことで。



…心優ちゃんには本当、感謝しないといけないことばっかりだな。