そうこうしているとようやく航空会社の情報が出て、やはり飛行機は欠航となり、帰れるのは翌日の午後になった。すぐにオンラインで予約の変更をして、母へ電話をかけた。
日本は夜十時頃。一番気を遣わず話せるのは弟なのだが、大学生の彼は家にいないかもしれないので母にした。
火山の噴火で飛行機が欠航になった旨を伝えると、真っ先に泊まる場所は確保できたのかと尋ねられた。やはり一番心配なのはそこだろう。
もちろんエツの家に泊まるだなんてバカ正直に言うはずもなく、いいホテルを見つけられたから大丈夫だと伝えたものの……。
『そこはセキュリティーはちゃんとしてるんでしょうね? ただでさえ女の一人旅は危険がつきものだっていうのに……夜は絶対ひとりで出歩いちゃダメよ! 肌を出すのもダメ。あと、バッグは前で持ちなさい』
と、すでにわかりきっている注意を延々とされた。お客様の前ではたおやかで優しい女将だけれど、普段はこんな感じだ。
母のことは好きだが、やや過保護でうんざりする時も多々ある。国内の一人旅はもう止めるのを諦めているようだが、海外旅行には反対していたので余計に心配されている。



