『へえ。付き合いが悪いって文句を言いたいわけか』
『そうなんですよ~。だから今度、その子抜きで先輩と──』
『くっだらねぇ』
立ち去ろうとした瞬間、嫌悪するように吐き捨てた一段と低い声が聞こえ、私は足を止めた。
『花詠はあんたらが遊びまくってる間、本当に休みなく働いてんだよ。将来自分があの場所を守っていかなきゃって、今から覚悟して、つらくても逃げないで踏ん張ってる。それのどこがダサいって?』
傷ついた胸を庇うようなエツの発言に、私は瞠目した。女子たちも言葉を失ったらしくしんと静まり返っている。
『そんなことも知らないで、あいつの友達を名乗ってんのかよ。そりゃたとえ嫌われたとしても当然だ。あんたらは花詠に相応しくない』
厳しくぴしゃりと言い放ち、一歩を踏み出す音が聞こえた。動けずにいる私のもとまで戻ってきた彼を、戸惑いつつ見上げる。
『エツ……』
『気にするな。本当に花詠と仲よくしたいやつらなら、そのうち態度を改める』
ポーカーフェイスのままだが少し柔らかくなった声で言い、さりげなく私の頭をぽんと撫でた。



