「今日は皆さん、ようこそおいでくださいました」
「よーこしょおだました!」


 ちゃっかり祥の隣で、彼のマネをして後に続いたのはとっても可愛いわが子。三歳になる娘の美乃莉(みのり)だ。

 長い髪のサイドを編み込みにして、ふんわりしたワンピースを着た今日の姿も、ちゃんとしゃべれていない日本語も、なにもかも愛しくて、エツと顔を見合わせて笑った。

 ふたりきりの生活を満喫した後、思い切って避妊をやめて三カ月後には美乃莉を授かった。妊娠中も産後も、エツは忙しい中私を気遣ってくれたおかげで、大きな問題なく彼女は育っている。

 私の両親も、エツの家族も可愛がってくれているし、毎日本当に幸せだ。困ることと言えば、時々どちらの家に遊びに行くかで両親同士がケンカしていることくらいだろう。

 私たちだけでなく、今日来てくれた槙木さんも美乃莉にメロメロだ。


「美乃莉ちゃ~ん、今日も可愛い~! ほっぺ柔らか~」
「槙木さん、美乃莉が引いてます」


 ちょこちょこ動く美乃莉を捕まえて頬ずりする彼女に、エツがツッコんだ。

 あれから槙木さんとはパーティーで顔を合わせる機会も多かったので、私も自然に仲がよくなり、今では家族そろって親交がある間柄となっている。